2012年5月27日日曜日

ウルトラマンのいる東京の恐怖

「帰ってきたウルトラマン」が、ケーブルテレビで連続放送されている。これを見ながら思った。この東京には住みたくない。図らずも17話で、岸田森が「東京も住みにくくなったもんだ」といって疎開するのだが、どうしてもっと早く退避しないのか不思議だ。この東京は、ほぼ毎週、怪獣が襲う。それも地球人の武器、自衛隊やMATがほとんど役に立たないぐらい強力な怪獣がやってくる。ビルを破壊する。街を凍らせる。ガスタンクを爆発させる。ウルトラマンとの格闘戦では、あの巨体が七転八倒するのだから、どれほどの震度だろうか。
 たぶんこの世界の交番には、交通事故での死傷者の表示とともに、怪獣被害による死傷者が表示されているに違いない。怪獣保険もあるだろう。大手企業は必ず加入しているに違いない。もしかすると戦時体制として、国が補償するのかもしれない。
 世田谷で起きることが多いので、世田谷に住んでいる人はズシーン、ズシーンという震度5とか6とかの地震を、毎週味わって、「あぁ、またウルトラマンが戦っているのかしら」とか思っているに違いない。いつ自分の家に襲いかかるともしれない不安を抱えながら。
 正体不明の異形の巨人であるウルトラマンに、かろうじて怪獣をやっつけてもらって、難をのがれている。そのウルトラマンも結構頻繁にやられそうになるし。他力本願も極まれりだ。
 それなのに、住民たちの私達と変わらない普通の生活、明るい笑顔、信じられないほどの戦時下だと思うのだが。
 (DAICON FILM版の「帰ってきたウルトラマン」では、多少そのあたりの現実的な解釈が加えられていて、これがエヴァンゲリオンなどの伏線になっているのだな、と思った。)

 いやぁ、怖い怖い。

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