笹塚にエムズカレー(Ms curry)という店があった。
http://r.tabelog.com/tokyo/A1318/A131808/13006913/
先日(2月27日)笹塚散歩したおりに訪れて、美味いポークカレーを頂いた。店主が倒れたのは、その直後らしい。まだ若い人だったのに。
不思議な店だった。
笹塚の商店街の一角に、入店を待つ列があった。店内はカウンターだけで、席が空くと列の先頭から入って着席する。私も順番が来たので、席に座るが、店主は一人もくもくと作業をしている。客の方を見るわけでなく、皿を片付けたり、一人もくもくと作業。
しばらくすると、順番が来たのか、私の目の前に立ち、小さな声でぼそりと注文を聞く。普通盛りか大盛りかが選べるようだ。注文を聞くと、またもくもくと作業に入る。私の前から入店している常連たちは、慣れたもので適当におしゃべりしながら、待っている。
先に入店しても、カウンター全体で1ロットというか、一緒に作るので、早く食べられるわけではない。ポークなど種別ごとに小鍋に人数分を用意して、煮立てるので、みな一緒だ。
サラダみたいのがでてきて、首の細い瓶に、粘性の高いドレッシングが入っている。逆さにしても出てこないので、みなポンポンと底を叩いている。不思議だ。
その内に、ロット毎にカレーがドン、ドンと出てくる。
濃厚で、香ばしく、癖になるタイプの、うまいカレーだった。
店内にはハワイアンかな、波の音と一緒に音楽が流れている。
食べ終わると勘定を払って、出る。店主と顔を合わせたのは、注文時と、勘定時だけ。言葉はふた言程度。
もともと人付き合いがあまり上手ではない人なのだろうと思った。客商売では致命的にも思えるが、いつも店の前には行列。
「お客様はモンスターでも神様」がまかり通る現代に、こういう店が営業出来ているというのは、何か「救い」のような気持ちをいだいて店を後にした。
そうか、お亡くなりになったのか。なんかすごく寂しいぞ。
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